生物モデルをつかった老化制御プロジェクト研究

老化の9つの要因(下図参照)が近年の研究により分かってきており、この要因を制御することで老化をコントロールすることができるようになりました。その仕組みについて様々な生物モデルをつかって研究を行っています。

海馬神経新生研究 

生物モデルをつかった老化制御研究のモデルケースの一つとして、長年研究してきた海馬神経新生研究を紹介します。これまで脳の細胞は年をとるとともに減る一方で、決して増えることはないと考えられてきましたが、学習記憶に関係する海馬で、大人でも盛んにニューロンが入れ替わっていることが分かってきました。私たちは、サルやマウスを用いて、このニューロン新生のメカニズムを、生理・生化学的に解析しています。長年の研究により海馬新生ニューロンは、運動や栄養、睡眠、さらには社会性によってコントロール可能であることが明らかになってきました。

高齢者研究

高齢者を対象とした研究について紹介します。

栄養と脳機能維持に関する研究

乳酸菌(Lactiplantibacillus plantarum OLL2712)の記憶力低下高齢者における記憶機能への影響 Sakurai, K., Toshimitsu, T., Okada, E., Anzai, S., Shiraishi, I., Inamura, N., Kobayashi, S., Sashihara, T., Hisatsune, T. (2022) Effects of Lactiplantibacillus plantarum OLL2712 on Memory Function in Older Adults with Declining Memory: A Randomized Placebo-Controlled Trial. Nutrients, 14, 4300; doi:10.3390/nu14204300

アンセリンによる軽度認知障害者の認知機能低下の抑制 Masuoka, N., Lei, C., Li, H., Inamura, N., Shiotani, S., Yanai, N., Sato, K., Sakurai, K., Hisateune, T. (2021) Anserine, HClO-scavenger, protected against cognitive decline in individuals with mild cognitive impairment. AGING, 13. doi.org/10.18632/aging.202535 

日本人高齢者の認知機能維持に及ぼすオレイン酸摂取の影響 Sakurai, K., Shen, C., Shiraishi, I., Inamura, N., Hisatsune, T. (2021) Consumption of Oleic Acid on the Preservation of Cognitive Functions in Japanese Elderly Individuals. Nutrients, 13, 284. doi.org/10.3390/nu13020284

高齢者の認知機能向上と抹茶の関連性 Sakurai, K., Shen, C., Ezaki, Y., Inamura, N., Fukushima, Y., Masuoka, N., Hisatsune, T. (2020) Effects of Matcha Green Tea Powder on Cognitive Functions of Community-Dwelling Elderly Individuals. Nutrients, 12, 3639; doi:10.3390/nu12123639

APOE4による軽度認知機能障害に対するアンセリン/カルノシン補給の効果 Masuoka, N., Yoshimine, C., Hori, M., Tanaka, M., Asada, T., Abe, K., Hisatsune, T.* (2019) Effects of Anserine/Carnosine Supplementation on Mild Cognitive Impairment with APOE4. Nutrients 11, 1626; doi:10.3390/nu11071626

健康管理デバイスを用いた研究

  • Impact of sleep, activity, nutrition and health based Fitbit alerts in older adults

AIやロボット・センシング技術を活用した研究