「食の未来・エイジングデザイン研究」

「食の未来・エイジングデザイン研究」社会連携講座は、日本ハム株式会社の出資により令和4年4月に東京大学大学院 新領域創成科学研究科に設置された講座です。

東京大学大学院新領域創成科学研究科においては、「人生100年時代」を見据え、老いを遅らせるだけでなく、老化をモデル化し、加齢による衰えを老化生命科学、人間支援技術、数理工学などの最新科学でコントロールする大型の研究プロジェクトが進められています。同プロジェクトは、民間との連携を積極的に行い、研究成果の社会実装を目指しています。

「食の未来・エイジングデザイン研究」社会連携講座は、同プロジェクト初の社会連携講座です。

社会連携講座名称食の未来・エイジングデザイン研究
設置期間2022年4月1日~2027年3月31日(5年間)
連携機関名日本ハム株式会社
代表教員久恒辰博(東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授)
所在地千葉県柏市柏の葉5-1-5 東京大学新領域生命棟 402号室
TEL04-7136-3632
FAX04-7136-3633

背景・目的

コロナ禍で社会活動が制限される中、特に高齢者においては認知機能の低下やフレイルの進行が危ぶまれています。本講座ではこうした社会課題への対応として、主に栄養的な観点から高齢者が自立的に老化を制御する方法を開発し、社会実装を目指します。加えて将来の持続的な課題解決に向け、当該分野の研究にAI技術とゲノム解析の視点を取り入れた学際的な研究を推進しイノベーションを実現できる人材の育成を目指します。

研究内容

中高齢者を対象とした健康情報の収集や食生活の改善につながる食事介入試験を実施します。試験により得たデータをAI技術を駆使した網羅的解析と老化生命科学の学際的研究により老化制御に関するメカニズム解明、老化指標を特定します。これらをもとに、高齢者が自ら健康長寿を実現(エイジングデザイン)できるサービスを提供します。

研究ビジョン

期待される成果

●食を中心とした自立的な老化制御を可能とするライフスタイルの提案と実現しやすい仕組み、サービスの提供

●生命科学分野と人工知能分野の二つの分野を跨ぐ知識を併せ持ち、学際的な思考パターンを身に付け、高齢化社会への対応に対する抜本的な解決策を与えることができる人材の輩出

専任教員

2022年4月より櫻井圭介氏が特任助教に就任しました

論文

Sakurai, K., Okada, E., Anzai, S., Tamura, R., Shiraishi, I., Inamura, N., Kobayashi, S., Sato, M., Matsumoto, T., Kudo, K., Sugawara, Y., Hisatsune, T. (2023) Protein-Balanced Dietary Habits Benefit Cognitive Function in Japanese Older Adults . Nutrients, 15(3), 770. doi.org/10.3390/nu15030770